パフォーマンス系のロングボードにマッチするフィンとは? By 牧野拓滋プロ
プロロングボーダーの牧野拓滋プロからFutures HATCHET 2+1 のインプレッションが届きました。
さすがは道具にこだわるプロらしい、細かな説明ありがとうございます!
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先シーズンの後半からFutures RTM HATCHET 6.0 のセンターフィン そしてサイドフィンにV2 RTM F4を使ってJPSAコンテストにも出場しています。最初にこのフィンセットを見た時に、あまり馴染みの無い形でしたので、非常に興味が沸いたのと同時に、正直なところ大丈夫だろうか? と少しフィンのデザインに疑問を感じました。というのも、センターフィンのアウトラインはハチェットフィンといって、羽子板のような形状で、ハチェットは、どちらかといえば60年代のクラシカルで大き目のフィンというイメージがありましたし、実際に10インチほどのサイズのハチェットフィンを使ったことがありますが、フィンの大きさ、そして面積のわりには、動きが(回転性は非常によく、思いのほか気にいって使っていたこともありますが)、やはり現在のパフォーマンス系のロングボードにマッチするかといえば、かなり大きすぎる印象が強く、その後は根元をカットしたり改造を重ねて、いつしか使わなくなってしまったほどでした。
そして今回のただでさえ6インチという非常に小さなフィンで、この形状のフィンに、まぁ疑問を抱かない方はきっといないと思います。(本当にうまくターンできるだろうか、どうなのだろうと・・・)
フィンの材質の特徴としてはショートボードフィンの分野では、もはや常識となったハニカムフィン。これは軽さを追求するハイパフォーマンス系のロングボードには理想的な素材であり、さらにFUTURE FINS 独自のフォイルテクノロジーによりテールエリアに飛躍的な揚力を与える効果のあるというかなり優れた技術力です。
現にサイドフィンの内側は少しコンケーブが入っていますね。
こういったコンケーブの入ったサイドフィンは今までにいくつかありましたが、コンケーブが入ることと、その素材とフォイルの技術力が未熟だった製品も多く、フィンがターンするときに音をたてて鳴いてしまうという、不自然な操縦感をもつものばかりでした。
がしかし、このモデルに関しては、比較的大きなサイドフィンであることも、センターのその特徴的なデザインであることも、全く感じさせない、なんと言うか、とてもスムーズでとにかくボードが滑っていくことに全くブレーキである抵抗を感じないフィンであると感じました。とにかく、スピード性能が抜群に優れていると思います。
センターフィンの形状は写真などで見られる特徴的な部分だけでなく、フィンの前方は非常に厚みがあり、後方は非常に薄くなっており、厚みの変化が既存のフィンよりもはるかにあります。
これもスピードを高める効果があるのかと感じていますが、
なにより、このマニューバビリティーのよさに加え、通常このサイズのフィンだと思い切り体重を乗せこんだターンをした場合に、踏み心地が軽すぎてしまい、ボードがぶれてしまうような感覚があるのですが、そういうものが一切ありません。
この使用感を伝えようとすると、いいことばかりが書かれていて、ちょっとマユツバものじゃないかと読まれる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際に、使ってみていただけると、このフィンのそのままの素晴らしさがダイレクトに感じられると思います。
このフィンがマッチするロングボードは、私が使用しているように、やはり比較的ロッカーがあり、回転性に優れ、テールが少し薄い感じのパフォーマンス系、およびハイパフォーマンス系のボードだと思います。オールラウンドなボードでも、少し動かしてみたいと感じる方には面白いフィンのセットだと思います。
クラシックなライディングを目指し、スローで、ゆったりとした波乗りを志す方、および、その手のロングボードをお使いの方には、これとは違うフィンをお勧めします。
この特徴的なRTM HATCHET 6.0 のセンターフィンおよびV2 RTM F4のサイドフィンセットを使って、皆様がスピーディーで快適なパフォーマンスロングボーディングを楽しまれてください!
Futures プロロングボーダー 牧野拓滋