クリエーチャ-ズの歴史は、”ジョン・マロイJohn Malloy”という一人の若いカリフォルニアのサーファーが祖国アメリカを離れ、新天地オーストラリアに移り住んだときに始まります。それは、1972年のことでジョンがわずか18才の時でした。ウエスターン・オーストラリア南西部に位置するヤリーンガップ (Yallingup)-マーガレットリバー(Marget River)という恵まれたワールドクラスのサーフィン・エリアを永住の地と定め、それから間もなくするとヤリーンガップビーチにサーフショップを開きました。このエリアは、世代を通じて世界のベストサーファーを輩出してきてました。イアン・カーンズ、ミッチー・トーソン、デイブ・マコーレー、ジェイク&ポール・パターソン、そしてタジ・バローなどです。このインド洋を展望する小さな町は、原住民アボリジナルの言葉で「愛の場所」とも呼ばれ、特別なバイブを発し続けています。
Creatureサーフショップを開くとすぐにジョンは、このエリアの波の特色はパワフルでシャローなリーフブレイクかボミーズ(遥かアウトサイドで割れる波)というハードなコンディションのため、ローカル・サーファーが高品質なリーシュコードを強く求めているという事に気付きました。そして、広範囲にわたりリーシュコードの調査を行うとマーケットには彼らの要求を満たすものがない事が判明し、その結果ジョン自らの手で開発製造を開始したのでした。
一番最初のモデルは、「リキャプチャー・ケーブルRecapture Cable」。(写真参照)
このリーシュは、医療に用いる黒チューブにベルクロ・ストラップを組み合わせたもので、人とサーフボードを繋ぐというリーシュ本来の役割は果たしたものの、素材が自然環境によくないため6ヶ月後に生産中止となりました。それからというものジョンは適合する素材を探し求め、かなり時間を費やしました。ところがヒントは以外にもとても身近なところにあったのです。洗濯機です。ジョンは、その洗濯機のメカニズムに駆動ベルトとして使用されていたポリウレタンのチューブに注目しました。伸縮性や耐久性に優れ、さらに環境的にもベターなこの素材は、今まで抱えていた頭の痛い問題を一気に解決したのでした。ジョンは、革新的にポリウレタンを使用した新しいデザインのリーシュコードを開発し、「パイプライン」というラベルのもと販売を始めました。強度があり伸縮性に富み且つ塩分を含む海水での使用にとてもタフであるこの新製品は、すぐにその機能性が証明され、サーファー達の支持を受けると瞬く間に世界中で販売されるようになりました。今日このポリウレタンはリーシュのコード素材として定着し幅広く使用されています。また、プラスチック成型のモールドも同時に取り入れたのでした。
1980年代中期、サーフィン人口は爆発的に増えはじめ、多くのサーファーが波を求めて旅をするようになりました。当時、サーフボードを保護するカバーはとても貧弱なもので、移動の際にフィンが破損したりボードがクラッシュするといったことが頻繁に発生していました。愛用のサーフボードを旅行時に限らずいつ何処でも適切に保護しサーフィンを楽しんでもらうようにと、ボードカバーはクリエーチャ-ズの新製品ラインとして加えられたのでした。「クリエーチャ-ズ・オブ・レジャー」というブランド名に変更されたのもこの時期です。この機能的なボードケースも、リーシュコード同様、世界中で販売され人気を博すまでにはさほど時間を要しませんでした。
1990年後半になるとクリエーチャ-ズは、デッキ・グリップの販売を開始します。
ハードな波をサーフするハードコアなライダーによるテスト改良の末に出来上がったデッキ・グリップの新ラインは、世界中の波で通用する品質を備え、マーケットですぐに高い支持を得ました。現在、クリエーチャ-ズのデッキ・グリップは、ミック・ファニング、ステファニー・ギルモア、ダスティー・ペインを始めとする多くのエリート・アスリートにより使用され、その高い品質は証明済みです。
ジョンのサーフィンとサーフィン・アクセサリーにかける熱い情熱は、リーシュをガレージで作り始めてから今年で35年、そしてクリエーチャ-ズブランドが生まれてから24年が経過しましたが、その間にこのウエスターン・オーストラリア発のクリエーチャ-ズを世界でも有数のトップ・ブランドに押し上げました。クリエーチャ-ズは、常に革新的であることを念頭に置き、新しく且つより良く機能する製品を世に送り出していくことをミッションとしています。クリエーチャ-ズの製品は、「サーフィング」という偉大なファン・スポーツを現在のハイレベル・パフォーマンスまで到達させるアシストを担い、さらにサーフィンが次なる次元へと進むことを願って止みません。
製品カテゴリー別の歴史とハイライト
リーシュコード
1976 世界初のポリウレタンコード及びプラスティック成型モールドを採用したリーシュコードを「Pipeline」ラベルで発売。
1987 「Creatures of Leisure」ラベルで発売開始。
2003 それまで主流だった真鍮製スイベルに対し、業界で初めてステンレス製スイベルとプラスチックのコンビネーションによる“ベアリングスイベル”を開発。コードの絡みを大幅に解消。
2007 “DNAフレックスモールド“を開発。従来は、伸縮性のあるコードと伸縮性の無いモールドのその接合部分が、負荷がかかった際に破損箇所となっていた。モールドに伸縮性を持たせることによって、コードの切れを大幅に解消し、リーシュ本来の機能性が飛躍的にアップ。STRETCH=STRENGTH(伸縮=強さ)がキーワードに。
2009 “シュア・ファイヤー・リリース“を開発。緊急の際、すぐにリーシュを足から取すためのリリースフックにウレタン・コーティングすることで、常にフックが立った形となり、指をかけ外しやすくなった。
ボードカバー
1987 “ポリエチレンのシルバー光反射素材“を世界初で使用。これによりボードカバー内をクールに保つことが可能になった。
2000 これまでジッパーは、ボードカバーの縁部分にあったが、ジッパー位置をカバー上部に配置することで、開閉しやすくなり取り扱いが楽に。
2003 “スタッシュ・ストラップ“。ストラップとカバーと一体になり、且つ専用ポケットに収納できるため、ストラップをなくすことがなくなった。
2006 “スリム・フィット”を発売開始。実際のサーフボードよりかなり大きめでかさばる従来のボードカバーに対して、サイド部分にマチを持たせることで、余分な贅肉を取り、ボード形状にあった3Dタイプのカバー。これにより、取り扱いがさらに楽に。
2008 “ハンドル・イット”。ハンドル部分にカバーのサイズ表示を行なうことで、ショップで自分の探しているボードカバーがひと目で探しだせるようになった。
デッキグリップ
1997 EVA素材の7モデルを発売。
1998 チームライダーと開発及びデザインを協力し、シグネチャーレンジを投入
2006 トラクションパターン“アングルロック及びスクエアーロック”を開発。エリートライダーの協力のもと、しっかり足の裏をホールドし、且つトラクションがベースからの剥がれを防いだ。
2007 高さの異なるトラクションを交互に配置した“ハイアンドロー・トラクション“をリリース。。その結果、高いグリップ性能とボードの感触がよりダイレクトに感じることができるグリップが完成。
2008 EVA製の極薄ベースの採用により、さらにボードへ対する足裏の感覚が向上。
2010 トレードマークであるCスターがPVC製であったが、EVAに変更。また、パッケージにリサイクル素材を、印刷は大豆インクを採用するなど自然環境への配慮を行なう。