オーストラリア唯一のサーフィン業界専門誌「Australasian Surf Business Magazine(ASB)」にジョン・マロイ(クリエイチャーの社長)のインタビューが写真入りで紹介されています。
Creatures of Leisureのルーツと歴史を物語る内容となっています。
ASB:まず最初にどのようにしてブランド名が決まりましたか?経緯を説明してください。
John Malloy:「Creatures of Leisure」 はMental as Anythingというバンドのアルバムのタイトルから来ました。ある夜、みんなで集まってブランド名を考えていた時、そのバンドのポスターがたまたま壁に張ってあって、そのアルバム名に何かピンと来たのです。その頃、ちょうどMamboのDare Jennings氏から無地のTシャツの買っていて彼がちょうどそのバンドのメンバーを知っていたのでブランド名として使用して良いか尋ねてもらい結果OKが出たのでブランド名として使用することに決定しました。記憶では出来上がったリーシュをそのバンドに送ってあげたらとても喜んでいましたね。
ASB:どのようにオーストラリアへ来ましたか?
John Malloy: 1972年にノルウエー国籍の船に乗り込んで生まれ育ったロスアンジェルスから出発して太平洋の島々を経てオーストラリアへ到着しました。そのときは一種の働き手として船に乗り込みました。つまり、乗船中は仕事をすることで目的地まで無料で行ける条件だったのです。途中、寄港した際はフリータイムとしてサーフィンができたし、いろいろ見て回りました。この当時にタヒチやサモアなどの島々でサーフィンできたことは、とてもよい経験になりましたね。乗務員はみなノルウエー人でしたが、肉体労働の働き手はサモアやフィージーの連中で、彼らが面倒を見てくれました。実はこの船をフィージーで下りて、緒に船に乗っていたフィージー人のMosesと彼の家族と一緒にしばらくそこで過ごしました。LAを出発する前にMargaret Riverの波の写真を見ていたので、フィージーをあとにしオーストラリアのシドニーに到着したあとはすぐさまヒッチハイクを繰り返しながらHume HighwayでWAに直行しました。秋口に到着しましたがYallingup(クリエーチャー社近くのリーフブレイク)の波は信じられないくらいほど素晴らしかったことを覚えています。
ASB:どのように仕事とライフスタイルのバランスを取っていますか?
John Malloy:サーフィン業界は私たちが常に情熱を持っているところです。なぜならエンジョイできるからです。そのため仕事のほとんどの時間は「仕事」をしている感触がありません。私たちはこの場所に住むことができ且つ仕事ができ非常に幸運だといえます。天気や波はほとんど年間通じて良いですしね。家族連れにも最高の場所です。
ASB:どういった経緯でリーシュにポリウレタン素材のコードを使うことをはじめましたか?あなたは過去自分たちが最初にこの素材を使ったと表明はしていませんが、業界の話では一番最初では・・・
John Malloy:1974年に友人とリーシュを作りはじめました。とてもラフな作りのものでしたが、強度的にマーガレットリバーのエリアで通用するには十分でした。コード自体は太いゴム製のものでしたね。実はこのゴムひもは当時のガソリンスタンドでユニークな使われ方をされていました。給油機の前の地面にこのゴムが張られていて、車が来てゴムを踏むと、そのゴムを通じて店内のベルが鳴りお客さんが来たことを知らせる仕組みになっていたのです。ある日、このゴムを私たちに売っていた男が洗濯機の修理屋向けに販売していたウレタンコードを見せてくれました。見た瞬間、コードとして使えるなと感じました。そしてテストを行った上で世界で最初のポリウレタン製コード及びインジェクション成型のスイベルを使用したリーシュを「PIPELINES LEGROPES」というブランド名で発売したのです。その後、残念なことに一緒にビジネス始めたビジネスパートナーとのパートナーシップが解消となり、結果彼がブランド名とキープし、私はほんの短い期間でしたが溜まった大きな負債を返済する羽目となり、そのあとの8年間を、WAの北部で電車の線路整備や住宅の屋根の職人などの出稼ぎに費やしました。クリエーチャーはそうしたことを経て1987にスタートしたのです。
ASB:WAは地理的にシドニーやゴールドコーストといった場所から離れていますが、そのメリットとデメリットは?
John Malloy:ビジネス的に考えますと私たちの所在するYallingup/DunsboroughはWAのしかも田舎ですので、当然理想とは言えません。出張に出るにしてもチケット代も高いですし、デメリットはいろいろあります。でも、私たちにとってデメリットはあくまでビジネスとお金に関することで、メリットはこの地で生活できること自体なのである程度割り切って考えています。
ASB:長い間、オーストラリア国内生産にこだわり海外生産を避けていましたが何か理由がありますか?またどのように品質管理を行なっていますか?
John Malloy:クリエイチャーは常に革新的で高品質の製品をオーストラリアで生産することにプライドを持っていました。問題は競合他社が海外生産を始めてから浮上してきました。なぜならばより安い価格でマーケットに販売できるからです。しばらくの間マーケットシェアを注視し、これ以上下がってはいけないという点まで我慢をし、生産ラインの移管を海外へと始めました。しかしながら多くの国内生産スタッフを解雇しなくてはならないという非常に痛みが伴うことなのである一定の時間をかけ徐々に行いました。品質管理に関しては弊社の厳しい基準を元に製品検査を行なう外部の会社に委託しています。
以上 ASBの記事から引用しました。